肌の美しさは健康と若さの象徴。みずみずしく艷やかな肌を大胆にさらけだすのは10代20代でしかできません。女子高生などはその特権を自分でも分かっているのか、季節にかかわらずミニスカートをはいて、街を歩いています。
ただキレイな肌を見せびらかすのはいいのですが、その際に注意すべきなのがいつの間にか伸びているムダ毛です。
いくら美しい肌合いが人の目を引き、スタイルも完璧だとしても、ムダ毛をキチンと処理していないと「露出しているくせに、手入れをちゃんとしてないんだ」と思われ、軽蔑を含んだ視線を向けられかねません。
そんな恥ずかしい目にあわないためには丁寧に自己処理しなければなりませんが、1ヶ月に何度もカミソリや毛抜きで自己処理をしていくのは面倒くさいものです。
しかも、腕、脚、デリケートゾーンの一部などは自分で何とかできますが、どうしても自己処理が不可能なところがあります。
それが「背中」です。
背中は視界の外にあり、毎日の生活では自分の目に入らないため、そのケアも放置しがちです。
でも、たとえば夏に泳ぎに出かけた時、ビキニ姿の女性を見て「背中の毛が見苦しい」と思ったことはありませんか。
自分ではうっかり気がついていないだけで、実は自分の背中も同じような状態になっているかもしれません。
でも手が届く部位の毛と違って、鏡なしでは見ることさえかなわない背中の毛は、どう処理すればいいのでしょうか?
答えは簡単。手慣れたプロのいるサロンや医療クリニックで脱毛してもらうことです。
最近の脱毛の人気ぶりは驚くべきものです。有名タレントを起用した派手なテレビコマーシャルが連日流れているため、脱毛に関心を持たない人でも、いくつかのサロンやクリニックの名前は聞き覚えがあるでしょう。
ただ、「脱毛なんてゼイタクなものとは縁がない」という女性は少なくありません。また「いつかは脱毛してみたい」と思っていても、施術の費用や痛みなどに対する不安があり、二の足を踏んでいる、という方もいるようです。
そこで初心者のためにこのページを用意してみました。
背中脱毛のベーシックな情報を紹介し、施術には今どんな方法があるのか、細かく説明していこうと思います。
サロンや医療クリニックでの背中脱毛の範囲
背中は、脱毛の対象となる部位としては体で最も面積の広いところです。そのため、サロンやクリニックでは「背中上」「背中下」の2つに分けて施術をおこなっています。
それぞれの範囲ですが、「背中上」は首の付け根から肩甲骨まで、「背中下」は肩甲骨からウエストラインまで、となっています(それより下にいくと「腰」または「ヒップ」になります)。
ちなみにサロンとクリニックの中には、施術部位を大きさに応じて「Lパーツ」と「Sパーツ」の2つに分類するところが多く、施術料は当然面積の大きなLパーツの方が高めになります。
背中は「背中上」「背中下」に分けてもまだまだ大きいので、両方がLパーツです。
ところで脱毛では、うなじは首の付け根より上なので、別の部位になります。
気をつけなければならないのは、背中上だけを脱毛すると、うなじとの間に色の境界線ができてしまうこと。そうなると「みっともない」と感じる人もいるので、最初から背中上とうなじを一緒に施術するプランを選んだ方がいいでしょう。
背中脱毛の施術料は、大体いくらぐらい?
脱毛するかどうか決めかねている時、最も気にかかるのはその料金でしょう。美容に関することにはお金がかかる、というイメージがありますから、気になるのも当然のことです。
そこで、サロンとクリニックでの背中脱毛にはどれくらいかかるのか、ざっと紹介してみましょう。
まずはサロンからです。
・銀座カラー
銀座カラーでのオススメは「スタンダードチョイス」というプラン。背中上、背中下のどちらかをチョイスでき、8回セットで42,000円になっています。さらに75,200円の「脱毛し放題」を選べば、徹底的にムダ毛を処理してもらえます。
・TBC
オススメは、背中の上下が施術できる「チョイスプラン」。好きなLパーツ1回が6,000円、6回セットで26,400円になります。さらに、Sパーツの部位も1回タダで施術可能。
・ミュゼ
「フリーセレクト美容脱毛コース」を選ぶと、Lパーツの4回分が12,000円。背中は上下2つに分割されていて、「上を3回下を1回」という具合に4回分を好きに割り振ることができます。
・ジェイエステティック
「後ろ姿美人プラン」だと、背中の上、うなじが各4回セットで費用は18,000円。また、無料で両ワキ脱毛12回コースがついてくるため、うなじ、ワキ、背中上の3つの部位を同時に脱毛できます。
続いて、医療クリニックも紹介します。
・リゼクリニック
ここでは背中は2分割されず、全体が1部位として扱われます。施術料の方は5回コースで79,800円。
・湘南美容クリニック
背中は上下2つに分割。1回の施術料はそれぞれ17,410円ですが、6回コースを選べば81,000円にディスカウントされます。
・アリシアクリニック
リゼクリニックと同じく、背中は1部位として扱われます。施術料は5回で55,000円と大変リーズナブル。
また、「背中+えりあし脱毛セット」というプランなら5回で103,200円です。
・イセアクリニック
「背中+うなじ脱毛」のプランを選ぶと、5回で98,800円です。
以上、有名サロンとクリニックの施術料を一覧にしましたが、プランやコースというのは条件が色々とあってややこしくなっています。できればネットで公式サイトを丹念に調べ、その詳細を心得ておきましょう。また、サロンではディスカウントキャンペーンをよくやっているので、その情報をこまめにチェックするようにして下さい。
背中は、脱毛するのが大変なパーツ?
実は背中の毛は、施術しても脱毛効果が出にくい、といわれています。というのも、脚やワキの毛と比較すると、太さがない上にその色が薄いからです。
「細くて色が薄いと、どうして脱毛効果が出にくいの?」と思われるでしょうが、それは現在普及している脱毛方式が関係しています。
以下、サロンとクリニックで使われている脱毛器の説明をしながら、その理由を述べていきます。
現在のサロンで最もよく使用されているのは、「IPL脱毛」と呼ばれる方式のマシンです。
IPL脱毛は、太陽の光に似たインテンス・パルス・ライト(IPL)という光線をキセノンランプを使って肌に当てる、というもの。元来、IPL脱毛のマシンは脱毛専用ではなく、くすみ・シミなどを治療する「フォトフェイシャル」用の機械としてエステで使われてきました。
しかし、フォトフェイシャルを受けた顧客から「毛が薄くなった」という感想が次々と寄せられたため、改めて検証実験をおこなったところ、抑毛作用が備わっていることが分かりました。それから脱毛サロンでも導入されるようになったのです。
IPLという光線の1番の特徴は、光の中にたくさんの波長が含まれていること。そのため、レーザーと違って肌の広範囲に照射することができます。脚、背中などの大きな部位にはもってこいで、施術にも手間と時間がかかりません。
ただ、IPLは表皮、真皮、皮下組織などの各層に拡散してしまうため、発毛機能を衰えさせるパワーはそれほどでもありません。
一方、医療クリニックで最も使われているのは、レーザー光を照射する「レーザー脱毛」の機器です。
実は、IPL脱毛もレーザー脱毛もその原理そのものは変わりません。どちらの光線も、黒いメラニン色素に照射されるとそのまま吸収され、高熱を生じさせる特徴を備えています。
肌へ当てると黒いムダ毛のところで熱に変わり、やがて毛根にその熱が集中していきます。皮脂腺開口部、毛乳頭、毛母細胞などの組織がその熱でダメージを受け、毛が成長しなくなるのです。
ただ原理は同一でも、その威力となると話が違ってきます。レーザー光は局所的にパワーを集中させられるため、標的となった毛根は回復不可能なほどの損傷を受けます。そうなるとその部位は死ぬまで毛が生えてきません。
「そんな威力のあるレーザー光なら、背中もうまく脱毛できるのでは?」と思われるでしょうが、そう簡単にはいきません。
というのも、背中の毛に含有されるメラニン色素は本当にわずかで、光を照射しても吸収されにくいからです。
「では、効率的に背中を脱毛できる方法はないの?」ということになりますが、それについては以下の文章で説明していきます。
背中脱毛にふさわしい方法とは?
背中脱毛にふさわしい方法には、以下の3つがあります——
・S.S.C.方式のマシン
・ダイオードレーザー
・ニードル脱毛
ひとつずつ解説していきましょう。
まず、S.S.C.方式です。S.S.C.は「Smooth Skin Control」の意味で、イタリアのDEKA社が考案しました。
IPL方式との大きな違いは、マシンのほかに専用ジェルを使うところです。
ジェルには、トレジャービーンズという小さなカプセルが入っています。ジェルを塗ってクリプトンライトを当てるとこのカプセルが弾け、その成分が毛根に染み込んでいきます。
成分の中心となるのは、フィリニーブ。抑毛、炎症抑制、保湿の効果があり、脱毛はもちろん、施術後の肌トラブルを防止します。
脱毛効果をあげるのはあくまでジェルなので、背中の薄い毛も処理できます。
続いて、ダイオードレーザーです。
クリニックのレーザー脱毛器には色々なものがあり、そこから発射されるレーザーもそれぞれ異なります。
現在よく使われているのは以下の3つ——
・アレキサンドライトレーザー
・ダイオードレーザー
・YAGレーザー
それぞれの特性によって、得意な毛質や肌質も異なります。
ダイオードレーザーは、半導体(ダイオード)を光源とするライトで、波長の方は810ナノメートル。この長さはアレキサンドライトレーザーとYAGレーザーの中間で、皮膚の深い層の毛にも効果をあげます。
蓄熱式(SHR方式)とレーザー式(HR式)の2種類があるのですが、背中の毛にピッタリなのが蓄熱式です。
蓄熱式では、バルジ領域というところを弱体化して脱毛をおこないます。低音(65℃前後)の光線を当て、熱エネルギーをちょっとずつ蓄積していくことで脱毛効果を発揮。メラニン色素の有無は関係ないので、薄い毛でも効果が変わりません。
また痛みも非常に軽く、「施術のストレスを感じない」というメリットもあります。
蓄熱式ダイオードレーザーのマシンには、ソプラノアイス・プラチナムとメディオスターの2種類がありますが、それぞれレジーナクリニックとリゼクリニックで採用されているので、どちらかと契約すればいいでしょう。
次にニードル脱毛です。この方法はライトによる施術が一般化する前は、脱毛の主流となっていました。
歴史も恐ろしく古く、アメリカで逆さまつ毛を処理するのに使われたのがその始まりとされています(150年近く前です)。
毛穴にプローブという針を入れ、電気を通して毛根を破壊します。物理的な損傷を与えるために効果は抜群で、施術された毛穴からは死ぬまで毛が生えてきません。
また、メラニン色素とは無関係に脱毛するため、背中もツルツルにできます。
ここまではいいのですが、実はデメリットが2つあります。ひとつは針を使うために痛みがひどいこと。中には痛みがつらすぎて施術を中断した人もいます。
あとひとつは、すべてが手作業ということで、どうしても施術料が高めになる、ということ。サロンやクリニックによって異なりますが、最低でもレーザー脱毛の30倍はかかります。
これらのデメリットのせいで、施術を受ける人は限られてくるかもしれません。
3つの方法を順番に解説してみましたが、このうち、1番簡単に受けられるのはS.S.C.方式です。
どれにしようか迷うという人は、とりあえずS.S.C.方式をチョイスしてみましょう。完璧な脱毛には日数がかかりますが、抑毛効果はすぐに実感できます。
ただ「背中の毛を完璧に処理したい」と考えているのなら、やはりニードル脱毛がベストでしょう。
いかがだったでしょうか? ビギナー向けに背中脱毛の情報を色々と紹介してみました。
暑い季節を迎えると露出度の高い服や水着を着たり、髪をアップにすることも増えてきます。そんな時に堂々と背中を見せられるよう、脱毛で肌をキレイにしておきましょう。